STAFF INTERVIEW|薬剤師
調剤薬局から病院へ。処方箋の「その先」を、検査値と暮らしから考える薬剤師に。
佐々木 結衣さん/2022年入職

- 入職年
- 2022年
- 出身
- 岩手県
- 前職
- 調剤薬局5年(内科・小児科)
調剤薬局で5年間、内科や小児科の処方に向き合ってきた佐々木さん。患者さんの何気ない一言から副作用や飲み忘れを推し量る日々の中で、「検査値や治療方針まで踏まえて、もっと踏み込んだ提案がしたい」という思いが膨らんでいきました。病院未経験で飛び込んだ専門病院の薬剤部で、今どんな手応えを感じているのか。
PROFILE 岩手県出身。薬科大学を卒業後、地元と仙台の調剤薬局で計5年間、内科・小児科を中心とした処方調剤と服薬指導を担当。検査値や診療経過を踏まえた薬物療法に深く関わりたいと考え、2022年に当院へ転職。現在は外来調剤、病棟業務、DI(医薬品情報)を担当し、甲状腺・内分泌領域の薬物療法を学んでいる。
「推測」から「根拠」へ踏み込みたかった
薬局では、患者さんの表情や言葉の端々から『最近眠れていないのかな』『飲み忘れがありそうだな』と推測し、限られた情報の中で最善の声かけを工夫していました。それはそれでやりがいのある仕事でしたが、検査値や診療の経過を直接見られないもどかしさが常にありました。
あるとき、慢性疾患の患者さんが薬の副作用らしき症状を訴えていて、『きっと検査をすればはっきりするのに』と感じたことがありました。推測でとどまるのではなく、データに基づいて医師へ提案できる薬剤師になりたい——その思いが転職の決め手になりました。
専門領域なら基礎から深く学べると考え、甲状腺・内分泌に特化した当院を選びました。病院未経験での挑戦は不安もありましたが、6か月の育成計画があると聞いて、思い切って飛び込みました。
検査値と患者さんの言葉、その両方を見る
入職して驚いたのは、薬剤師がカルテで検査値や治療方針を確認したうえで、医師に処方提案をするのが当たり前だということです。甲状腺ホルモンの数値の動きを見ながら、用量の調整を提案したり、ほかの薬との飲み合わせや休薬のタイミングを確認したりします。
印象に残っているのは、わずかな用量調整で患者さんの倦怠感が大きく改善したケースです。数値だけを見て『正常範囲だから問題ない』とするのではなく、患者さん本人が感じている体調と数値の両方を見ることの大切さを学びました。自分の提案が次の診療に反映されたときは、本当にうれしかったですね。

甲状腺だけじゃない、横に広がる薬の知識
入職後に苦労したのは、想像以上に関連する知識の幅が広かったことです。甲状腺の薬だけでなく、妊娠と薬、骨粗しょう症、糖代謝、がん治療に使う薬まで、内分泌を軸にさまざまな領域がつながっていました。
助けになったのは、週1回の症例レビューです。先輩薬剤師が『自分ならこの患者さんにどう考えるか』を言葉にして見せてくれるので、知識が断片ではなく、考え方として身についていきました。分からないことを医師や看護師にその場で確認できる距離の近さも、当院ならではだと思います。
当直がない分、学びと暮らしを両立できる
病院薬剤師というと当直のイメージがありますが、当院は当直がありません。遅番が月に2回ほどあるくらいで、終業時間が読みやすいので、勉強会への参加や認定資格の勉強の時間を計画的に取れています。
忙しい時間帯は担当を越えて助け合い、終わった後に必ず短く振り返るのが薬剤部の習慣です。一人で抱え込まずにすむ雰囲気があるので、未経験から入っても安心して成長できると思います。
Q1転職のきっかけを教えてください。
薬局では患者さんの言葉から副作用や飲み忘れを推測していましたが、検査値や診療経過を踏まえて、根拠を持って提案したいという気持ちが強くなりました。専門領域なら基礎から深く学べると考え、甲状腺・内分泌の専門病院である当院を選びました。
Q2仕事で面白さを感じるのはどんな場面ですか?
わずかな用量調整で患者さんの症状が改善することがあり、検査値と患者さんの実感の両方を見ることの大切さを実感する瞬間です。自分が医師へ提案した内容が次の診療に反映されたときは、大きなやりがいを感じます。
Q3入職後に苦労したことは?
甲状腺の薬だけでなく、妊娠、骨粗しょう症、糖代謝、がん治療まで、関連する知識の幅がとても広かったことです。週1回の症例レビューで、先輩の考え方を言葉にして見せてもらえたことが、何よりの助けになりました。
Q4薬局での経験は病院で活きていますか?
とても活きています。患者さんの生活を想像して声をかける力は、薬局時代に徹底的に鍛えられました。病院では検査値という根拠が加わるので、薬局で培った『生活を見る目』と組み合わせると、より患者さんに合った提案ができると感じています。
Q5チームの雰囲気はどうですか?
小さな疑問でも医師や看護師に直接確認できる距離の近さがあります。薬剤部の中でも、忙しい時間帯は担当を越えて助け合い、終わった後に必ず短く振り返る習慣があります。未経験から入っても、孤立せずに成長できる環境だと思います。
Q6病院未経験で不安はありませんでしたか?
正直、不安はありました。でも6か月の育成計画があり、処方監査・服薬指導・病棟・DIを段階を追って学べたので、無理なく実力をつけられました。『分からないことは分からないと言っていい』という空気があるのも、大きかったです。
Q7今後の目標を教えてください。
認定・専門薬剤師の資格を取得して、甲状腺・内分泌の薬物療法をより専門的に支えられる存在になりたいです。学会発表にも挑戦したいですし、いずれは未経験で入る後輩の育成にも関わって、薬局出身でも病院でしっかり活躍できることを、自分の姿で示していきたいと思っています。
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8:30
朝礼
薬剤部全体でその日の予定と注意事項を共有します。
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8:45
外来処方監査
検査値や治療方針を確認しながら、外来処方の内容をチェックします。
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10:30
服薬指導
抗がん薬や分子標的薬を使う患者さんへ、副作用や休薬の説明を丁寧に行います。
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12:00
休憩
ひと息ついて午後に備えます。
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13:00
病棟面談
入院患者さんのベッドサイドで、服薬状況や体調の変化を確認します。
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14:30
カンファレンス
医師・看護師と治療方針を共有し、薬剤師の視点から提案します。
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15:30
DI作成
院内からの問い合わせに備え、医薬品情報を整理・更新します。
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17:15
退勤
当直はなく、残業も月平均6時間ほど。資格の勉強時間を確保できています。